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セーフ・ハーバーの 終了から、EU Cloud 28+ の 船出へ:ついにクラウドの分化が始まるのか?

Posted in .Selected, Government, Strategy by agilecat.cloud on February 16, 2016
Safe Harbor’s ending makes for a good start for Cloud28+
Peter Sayer – Dec. 11, 2015
http://www.mis-asia.com/tech/cloud-computing/safe-harbors-ending-makes-for-a-good-start-for-cloud28/
 
_ MIS
 
After two months of beta testing, European enterprise app and service store Cloud28+ is open for business, making it easier for companies wanting to host their applications or data in Europe to find a home for them.
 
2ヶ月におよぶベータテストの後、Europe エンタープライズのアプリやサービスをストアする Cloud28 + が、一般の企業へ向けてオープンされた。それにより、Europe 内にアプリやデータをホストしたいと考える企業は、自身の Home を容易に探し出せるようになった。
 
A beta test is usually a shakedown, intended to remove any lingering bugs, but for Cloud28+ it was more of a shake-up.
 
通常のベータテストは、残ってしまったバグを取り除くという意図を持つシェイクダウンであるが、この Cloud28 + においては、シェイクアップの性格を持つものとなった。
 
EU FlagFlags in front of the European Commission headquarters in Brussels on June 17, 2015 Credit: Loek Essers
 
The Cloud28+ catalog offers European businesses around 700 infrastructure-, platform- and software-as-a-service offerings from almost 150 partners. It allows them to choose services based on price, performance, and the location where the data is hosted, among other criteria.
 
この Cloud28+ というカタログは、150社にもおよぶパートナーから集められた、700タイトル以上の Iaas PaaS SaaS を、Europe の企業を提供するものである。それにより、パートナーたちは、価格や性能だけではなく、データがホストされているロケーションや、その他の基準に基づいて、サービスを選択できるようになる。
 
Barely a week after the beta test began, the first shock came, as data sovereignty and hosting location unexpectedly took on new importance for many European cloud services businesses. The European Union’s top court, asked to clarify a point of law in a case concerning Facebook in Ireland, struck down the Safe Harbor Agreement that had previously allowed businesses to export EU citizens’ personal data — that of their customers or employees, for instance — to the U.S. for processing.
 
このベータ・テストが始まってから、やっと一週間が経過したとき、最初のショックが襲ってきた。それは、データの主権とホスティング・ロケーションという観点で、数多くの Europe クラウド・サービス事業者に対して、新たな重要性が浮上するという、予想外の展開として訪れた。EU 最高裁判が、Ireland における Facebook の問題について、法的根拠を明確にするよう求めたのだ。そして、これまで、なんらかのプロセスにおいて、EU 市民の個人データを US に転送することを許可していた(たとえば顧客や従業員のデータ)、Safe Harbor Agreement の無効化が言い渡された。
 
Those that weren’t scrambling to make new arrangements were left wondering whether they complied with EU data protection law, which requires that personal data be afforded the same level of privacy protection wherever it is processed.
 
ただし、このことがキッカケとなり、EU のデータ保護法の取り扱いを未決にしたまま、新たな取り決めを急いで作るという動きには至っていない。ちなみに、EU のデータ保護法では、個人データを処理する国々が、EU と同レベルでプライバシーを保護していれば良いという、逃げ道が残されているのだ。
 
The second shock for Cloud28+ came two weeks later, when its main backer, Hewlett-Packard, said it will pull out of the public cloud business come January 31, although the company pledged ongoing support for its Helion OpenStack distribution and to continue managing hybrid cloud services for its customers.
 
Cloud28+ にとって、第二のショックは、二週間後に訪れている。つまり、主たる支援者である Hewlett-Packard が、2016年1月31日をもって、パブリック・クラウド事業から撤退すると発表したのだ。ただし、同社は Helion OpenStack のディストリビューションに関して、継続的なサポートを約束しており、また、ハイブリッド・クラウド・サービスの継続的な管理を、その顧客に対して提供していく。
 
Hewlett-Packard was in the process of splitting itself into the new HP, focusing on printers and PCs, and Hewlett Packard Enterprise (HPE). Their separation became official on Nov. 1, but it was another month before HPE anointed its new preferred cloud provider, Microsoft Azure.
 
そのときの Hewlett-Packard は、プリンタと PC にフォーカスする新しい HP と、エンタープライズにフォーカスする HP(Hewlett Packard Enterprise)へと、分割していくプロセスにあった。この分割は、2015年11月1日に公表されたが、その後の HPE はというと、優先的なクラウド・プロバイダーとして、Microsoft Azure に熱い視線を注いでいるという状況にある。
 
Now the Cloud28+ team are putting all that behind them: The catalog is now open for business, HPE’s senior marketing manager for Cloud28+, Guillaume Runser, wrote on Thursday.
 
現時点において、Cloud28+ チームは、そのような背景を抱え込みながら、このカタログを企業に提供していると、HPE の Senior Marketing Manager であり、また、Cloud28+ 担当する Guillaume Runser が、12月11日に述べている。
 
The catalog, at cloudofclouds.eu, lets users search for and compare cloud services, although if they want to buy, they’ll be redirected to service providers’ own sites to sign up. There are other sites cataloging services hosted in Europe, such as endofsafeharbor.eu, but it doesn’t offer the same search tools.
 
たとえば、cloudofclouds.eu における、このカタログは、クラウド・サービスの検索と比較をユーザーに促すが、もし、そのユーザーが購入を希望するなら、そのサービスにサイン・アップできるよう、目的のプロバイダ・サイトへとリダイレクトしてくれる。また、endofsafeharbor.eu のような、Europe でホスティングされるサービスのカタログ・サイトもあるが、そこでは、このような検索ツールが提供されない。
 
While the main backer of Cloud28+, HPE, is throwing in its lot with Microsoft for hosting, that hasn’t stopped other hosting providers from joining.
 
HPE は Cloud28+ の主たる支援者である一方で、ホスティングに関する大量の情報を、Microsoft と共同で投げ込んでくるが、それにより、他のホスティング・プロバイダの参加が阻害されるわけではない。
 
A last-minute arrival before the launch was ZettaBox, which itself only opened for business in June, aiming to profit from restrictions in some European countries on where data can be hosted. The tearing up of the Safe Harbor Agreement came as a bonus.
 
今回の立ち上げの直前に、参加してきたのは ZettaBox である。同社は、2015年6月に、企業向けのサービスのみを提供し始めたが、データをホストできる場所に関して、Europe 諸国に制約が課せられているという状況から、利益を上げようと目論んでいる。つまり、Safe Harbor Agreement の混乱が、思わぬ収益をもたらそうとしているのだ。
 
“Cloud28+ was a logical community for Zettabox to join as their mission is to build a cohesive and collaborative cloud environment, for Europeans by Europeans,” said James Kinsella, founder and CEO of Zettabox.
 
Zettabox の Founder and CEO である James Kinsella は、「Zettabox が Cloud28+ に参加するのは、このコミュニティが理に適っているからだ。Eruropean による Europe のためのクラウド環境を、凝集と協調を前提に構築していくことが、このコミュニティの使命なのだ」と述べている。
 
Concern about data sovereignty is unlikely to be just a passing fad: The European Commission hopes to have a new Safe Harbor Agreement in place early in the new year, but there are concerns that the court that struck down the previous one may not have said its last word in the matter.
 
データの主権に関する懸念が、過ぎ去ってしまったというわけではない。The European Commission は、2016年の早い時期に、新たな Safe Harbor Agreement を準備したがっているが、前回に EU 最高裁が無効という判断に至ったことが、最終的な結論ではないという懸念が、依然として残っているのかもしれない。
 
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government-55aなにやら、とても厄介な話のようですが、そもそも、アメリカの個人保護法が、事業分野ごとに法制されており、欧州や日本のように体系化されていないところに問題が有るようです。でも、まぁ、ビジネス優先という判断で、ヨーロッパの個人データをアメリカに送っても、同じレベルの保護措置が取られていると解釈する、セーフハーバー協定が運用されていたのですが、NSA による盗聴騒ぎなどもあり、欧州司法裁判所が無効という判決を出してしまった、、、という背景があるようです。
 
そして、この Cloud28+ というカタログも、前述の矛盾を是正するためのものとして、準備を進めてきたという経緯があるようですが、そこに「セーフハーバー無効」の判決が重なってしまったというのが、いまのステータスのようです。くわしくは、情報通信研究所の藤井秀之さんが書いた、「欧州司法裁判所によるセーフハーバー協定無効判決について」というポストを参照してください。
 
この、アメリカとヨーロッパのギャップですが、それをアジアに当てはめてみると、中国のグレート・ファイアウォールという問題が目に止まります。そして、Microsoft は 21Vianet と、Oracle は Tencent と、そして Amazon は Baidu とタッグを組んで、この巨大マーケットに取り組み始めているようです。 こうして眺めてみると、クラウドは三つの世界に分化していくのかと思えてきてしまいます。_AC Stamp
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