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クリエーションラインが展開する、CloudStack/MidoNet/Cloudian 統合戦略とは?

Posted in Businesses, Cloud Stack, OpenFlow, SDN by Agile Cat on January 30, 2012

日本発クラウド・スタートアップの、クリエーションライン、ミドクラ、ジェミナイの三社提携
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昨年末のことですが、クリエーションライン、ミドクラ、ジェミナイの三社提携が発表されました。 その後、クリエーションラインの安田さんと会い、この件の概要を教えてもらうという機会を得ました。

この三社の守備範囲は、それぞれ、クリエーションラインが CMS(Cloud Management Systems)で、ミドクラが SDN(Software Defined Networking )、そしてジェミナイが Storage という分担です。 そして、この提携のコアは CloudStack であり、また、クリエーションラインがハブになることで、この3つの要素をつなげていくというものです。

imageつまり、シングル・ポイント・ビューを実現する CMS の管理画面から、クラウド・フレームワークと、ネットワークと、ストレージを透過的に管理できるようになるわけです。 CloudStack については、他にも情報がありますので、ここでは説明を割愛しますが、なぜ、SDN と ストレージがキー・コンポーネントになるのかという点について、クリエーションラインが考えていることを、簡単にまとめていきます。

まず、SDN ですが、最近のクラウドのトレンドとして、データセンター内の管理を容易にするというニーズが高まっているとのことです。 つまり、膨大な数のサーバーを確実に管理するには、物理的な結線を一度行ったら、その後はソフトウェアを介して管理する方が、その運用が容易になるという発想です。ここで管理する要素としては、NAT や、ファイヤーウォール、ロードバランシングといったものを含む、ネットワーク全体が対象になります。

imageクラウド・シフトの理由の 1つとして、性能/信頼性/コストという条件に応じて、適切なプロバイダーをいつでも選び直せるという点があります。 しかし、こうしたデータセンター内のネットワーク管理が、従来からの物理的な結線や各アプライアンスといった、個別の設定変更に依存しているのでは、その効果も半減してしまいます。 それは、クラウドを拡張する際にも言えることであり、単にコストに留まらず、安全な運用をという視点からも考えるべき、重要な問題となります。

SDN の役割としては、前述のとおりデータセンター内の運用というレベルがありますが、クラウドが進化していくにつれて、マルチ・データセンター間での連携というステージが浮上してきます。 そのときに、どのレベルのネットワーク・レイヤーが要求されるのでしょう? 少なくとも、L3 以上が必要になるわけですが、L4 ~ L7 も考慮すべきなのかも知れません。ミドクラの MidoNet は、L3 はもちろんのこと、それより上位のレイヤーも視野に入れています。 つまり、将来のネットワーク・アーキテクチャを、長期的なスパンでカバーできる点に、クリエーションラインは魅力を感じているようです。

clip_image001その一方で、SDN と比べると、ストレージは成熟した市場です。 そして、エクスペリエンスが広く共有され、1つの指標となっているのが Amazon S3 の存在です。 そのような背景から、数多くのストレージ・ベンダーが、Amazon S3 用に開発されたソフトウェア資産をターゲットに、新しいプロダクトやサービスを展開しているという、ワールドワイドなトレンドがあります。 その流れに乗り、SDN のミドクラと同様に、世界のマーケットへ向けて、日本発のテクノロジーを展開しているのがジェミナイです。(Agile_Cat は以前、ジェミナイって海外ベンダーだと勘違いしていました :)

ジェミナイの提供する Cloudian は Cassandra ベースのストレージであり、S3 互換の API を備えているため、ユーザーはもちろんのこと、ツール 類を提供するサードパーティへも訴求していけます。 そして、すでに Nifty などへの導入実績があることも魅力とのことです。Cassandra は、Rackspace からスピンアウトした DataStax(元 riptano)が商用化を目指していた、Apache の NoSQL プロジェクトです。 NoSQL の宿命ともいえる、コンシステンシーとパフォーマンスという相反する要素を、ニーズに合わせてカスタマイズできるプロダクトだと認識していますが、どのようにジェミナイが処理しているのか、とても興味があります。

クリエーションラインとしては、ClousStack/MidoNet/Cloudian を統合する環境を提供していくことになります。つまり、それらのサービスが提供する各種 API に精通し、また、ノウハウを蓄積している点が、同社のエクスペリエンスであり、またセールスポイントだということです。この領域は、ユーザーが個別にソリューションを考えるより、たとえばクリエーションラインの CRM のような、汎用化された統合テクノロジーを利用する方が効率化を図れます。そして、クリエーションラインは、CloudStack だけに特化したソリューションを提供するのではなく、OpenStack などを含むオープンクラウド全般に取り組んでいくとのことです。 そのときにも、MidoNet と Cloudian の API を介して、SDN とストレージを効果的に利用していくソリューションが提供されるはずです。

今後、クリエーションラインでは実証実験などを行なっていくとのことです。そして、時期が来たら、その結果を公表するとのことです。 目指すはワールドワイド・マーケットですが、この三社は日本発のクラウド・スタートアップであり、日本のビジネス・スタイルに最適化したサービスの提供も考えています。これまで、世界の市場と向き合ってきたのは、主として大手のベンダーであり、国内で確立したビジネスをベースに、新たに海外を狙っていくというスタンスでした。 ところが、この三社は、それぞれの設立時から、ビジネスを国内に限定することなく、テクノロジーを磨き上げてきた会社です。 海外のスタートアップを見れば、それが当たり前なのですが、ようやく日本でも、そのような兆しが見えてきたことを嬉しく思います。

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